フィルムカメラ
[2002.5.09]
---
GW:ゴールデンウィークを利用して、ちょっと旅に出かけた。
旅。
旅に出ようと思った時、まず一番最初に考えるのが「カメラどうしよっかなぁ」てこと。当然、生活にカメラは欠かせない私だからカメラは必ず持って行くのだが、どのカメラを持っていくかで悩む。写真がメインの旅行なら「本気モードで一眼レフ」だし、気軽にシャッター切りたいなら「お手軽モードでコンパクト」となる。更に今じゃ「アナログかデジタルか」ていう選択肢もあるもんだから、それでも悩む。
デジタルカメら。
もし撮った写真をホームページに載せようと考えてるなら、旅のお供には「断然デジカメでしょう」となる。デジカメなら適当にパシャパシャ撮って消したり残したりできるし、家に帰れば超写真画質のプリンタですぐ形にもできる。もちろんデジタルだからパソコンにコピーするだけで後の活用は思いのまま。メモリーは書き換え再利用だからフィルム代も現像代もかからない。コストパフォーマンスも最高。書けば書くほど「こりゃデジカメしかないっしょ」と思えてくる。
だが、今回の旅にはデジカメは持っていかなかった。私が今回の旅のお供として選んだのはGR-1。リコー製のコンパクトカメラだ。
アナログカメら。
デジタルが出てきたからアナログと相対的に呼ぶけど、最初からある普通のカメラ。フィルムを入れて使う一般的なカメラ。
GR-1。
正確には、僕のはGR-1s。
彼は我が家のカメラでは一番の小ささを誇る。ジーパンの後ろポケットに楽々入る薄さだ。そのくせマグネシウム製のボディはガッチンガチンの頑丈で、少々ぶつけたって屁でもない。レンズは28mmの単焦点とズームも効かない頑固者だが、頑固なこだわりの分だけ写りは確か。描写力はできあがった写真を見ると明らかで、たいていの人は「目が良くなった?」と錯覚すら起こす。そんなカメラ。
小さい割に信頼のおけるカメラ。それがGR-1s。
ただ、GR-1sは撮った画像を消去したりはできない。撮れば撮った分だけフィルムを使うし、お金もかかる。現像に出せば成功写真も失敗写真も選り分けられることなくプリントされて返ってくる。失敗の分だけ無駄に銭もかかる。ホームページに使おうと思ってもパソコンに取り込むのにまた一苦労。とにかく撮ってから形として目に見えるまでにやったらめったら時間がかかる。
デジカメだったら一瞬なのに。
フィルムカメラの宿命。
でも、その宿命が僕は嫌いじゃない。
フィルムは、確かにデジタルに比べ時間と手間がかかる。デジタルの即時的な感覚を知ると、それは不便に思えるかもしれない。だが、その不便さはそんなに悪いもんじゃない。
撮ったものを次の瞬間に確認できるのはデジタルの特権だ。フィルムはというと、シャッターを切ると「撮れているかもしれない」写真がフィルムに残される。どんな風に撮れているか。本当にちゃんと撮れているか。それは現像してみないとわからない。あーじれったい。
でも、そこがいい。
デジタルのダイレクトな感覚と違い、フィルムから写真ができあがるには、間にいくつもの手を必要とする。フィルムに感光させる人。フィルムを現像する人。フィルムからプリントを作る人。それは人でなく機械によるものかもしれない。だが、人であれ機械であれ、間に関わるものが増える分だけ予想もつかない結果も生まれてくる。もちろん結果に善し悪しはあるが。
できあがりをあれこれと思い描く楽しみ。
これフィルムの特権。
旅の写真は今、現像に出ている。