プラズマの価値
[2002.4.7]
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テレビを新調しようと思い、近所の電器屋に向かった。ちょうど外で昼御飯を食べ、そのまま電器屋に直行したもんだから、今日は弟も一緒。

電器屋に入り、テレビコーナーに向かう前に電話器を見た。相変わらず丸い電話ばっかりで、「おおっ!」と思った四角い電話には留守録機能すら付いてなかった。

もう、FAX買おうかな。

だって四角いから。

電話コーナーでひとしきり思案した後、続きましては本日の主目的であるテレビコーナーへ。

「おおっ凄いねコレ!」

テレビコーナーに着くやいなや、弟が驚嘆の声をあげた。弟の視線をさらったそのテレビの名は、プラズマ。最近の最高峰テレビである。

プラズマは本当に凄い。液晶みたいに薄いくせに、液晶と違いメリハリのある画像を提供してくれる。描写は繊細で、細かい部分までよーく見える。もちろん大画面。

電器屋で、一般のテレビに囲まれポツリ存在するプラズマの姿は、にぎやかなポップアートの中に絵画「モナリザ」が紛れ込んだようだ。

そんなプラズマ。値段もバカ高い。恐ろしくて若輩者の僕には手が出せない、出してはいけない価格。

しかし、プラズマに心惹かれた弟は何を思ったか「少しくらいなら援助できるよ」とのたまった。

「少し?1割でも出してくれるのか?」と冗談まじりに返答し、僕は自分のお目当てのテレビを眺めていた。

しばらく後、僕が店員と話をしていると、弟が照れくさそうにニヤケ顔いっぱいで近付いてきた。

「ケタ間違えてた」

奴め、プラズマの価格をひと桁間違えてたらしい。だから弟は、僕が買うテレビを見ながら「4千円しか違わんのなら、絶対こっち買った方がいいのに」と思ったそうな。そして「4千円くらいなら僕が出す」とも。

ケタが違うことを知り、プラズマの価値を改めてとらえなおした弟は、帰りの車の中でこうもらしていた。

「車買えるね」

兄「そうだね」


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