溺れるものは冷凍庫に入る
【7.27】
弟のケータイが机の上に放置されていた。まるで死んだように。
近づいてよく見ると、電池が外され分解されていた。
本当に死んだようだ。
異様な雰囲気を感じたので「どうしたことか?」と母にきくと、どうやら水の中に落としたらしい。それで、なんとか生き返らせようと乾かしてたそうだ。
だが、結局、乾かしても復活してくれなかったらしく、友達から民間療法を入手してきた弟は、ケータイを冷蔵庫に入れていた。
しかし、それでもケータイは生き返らなかった。
どーせダメもとなんだから「じゃぁ、冷凍庫に入れてみたら」と僕が提案すると、兄弟会議は満場一致で可決をみせ、ケータイは冷凍庫にぶち込まれた。奄美でも氷点下に達する寒い寒い冷凍庫に。
しばらく後---
驚くなかれ。まさか、ばさか、ケータイは息を吹き返したではないか。電源ボタンを押すと液晶に息吹が浮かび上がってきた。マジ?復活。だが、それもつかの間。画面は固まり、心音の停止が告げられた。
ぴー ィ...
復活後、すぐまた止まりはしたものの、冷凍庫はかなり効果的だったみたいだ。コトの原理はよくわからないが、凍りつくほどの世界ならケータイはまだ生きていける。
引っ越さなくては。
弟のケータイが生き抜くには、奄美は暑すぎる。