【カレーの話-3-】

カレーを弁当に持たせることに疑問を投げかけた弟。しかしコレからの事を考えると、弟にはカレーを弁当に持っていくことに喜びを感じてもらわなくては困る。何故ならカレー弁当は楽だからだ。

主夫の家事負担を少しでも軽減するために、そしてささやかなゆとりある未来をつかむために、私にとってカレー弁当は将来がかかった一大事である。私は弟を説得せねばならなかった。

「章、カレーってのは罪な奴でな。人が食っているカレーほど旨そうなものは無い。あの匂いに人は心くすぐられ魂を揺すぶられてしまうんだ。想像してみ。教室の何処かから漂うカレーの匂い。そのスパイスに嗅覚を刺激された奴らは、どんなにすましていようとも心の中では『誰だ?カレー食ってるのは』と気になってしょうがないはずだ。そして何故か悔しいはずだ。人の食ってるカレーほど旨そうなものは無いからな。」

話終えた後、今日のお昼に夢ふくらませた若者は、ワクワク感から込み上げる笑いを抑えきれないまま学校へと出かけていった。

さて、私は一度作ったら無くなるまでカレーを食べ続ける派の人だが、そんな私でも「それは酷いだろ」と思うほどカレーを食べ続けたことがある。あの冬の思いつきがあんな事態に発展しようとは・・・

それはまた別の話。


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