【死にチョコ】

僕はチョコレートが好きだ。できれば毎日がバレンタインデーだったらと思うぐらい好きだ。まぁ、たとえもし毎日がバレンタインデーだったとしても必ずチョコレートに囲まれるわけじゃないことは重々承知しているけれど‥‥。

先日、東京の叔母から小包が届いた。中には季節の果物やらがいっぱい。そこに長方形の高そうな箱が一つ混じっていた。何だろうコレ?

弟が帰ってくると、箱の中身は開けるまでも無く判明した。夏休み、従姉の結婚式で東京に行った際に弟がお土産として購入した生チョコだった。テニス部の皆に生チョコを食べさせてやりたいと思い購入したそうだが、彼はそれを叔母の冷蔵庫に忘れてきてしまったのだ。

忘れたのなら送ってもらえばいいのだが、問題はそれが生チョコであったこと。生チョコは案の定“生”らしく、賞味期限があった。8月15日。それが生チョコの限界。そこで弟はチョコを諦め、叔母に「食べてくれ」と言い残し羽田空港から飛び立ったのであった。

しかし、その生チョコが、本来なら叔母の胃の中に入りとっくに時空の彼方へ消滅していてもおかしくない生チョコが、小包に入っていたのだ。もちろん当然、賞味期限は切れている。表現は悪いが、言わば「死にチョコ」だ。

ただ、いくら死んでらっしゃるとは言えチョコはチョコ。「賞味期限の切れた生チョコ=普通のチョコに戻っただけ」例えて言えばアイドルが普通の女の子宣言するようなものだと解釈した我々は、迷うことなく死にチョコをいただいた。

それにしても見事に旨いチョコレートだった。死んだ状態であの旨さ。もし生きてたならきっともっと・・・と込み上がる無念もひとしおでした。

誰か買って送って下さい。立川駅の地下で買いました。


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