【無駄な過程】
AM7:48。突然のどしゃ降りの雨。
僕は2枚のバスタオルをつかむと車に乗り込んだ。乗り込む間にTシャツは既にまだら模様へとデザインを変えている。凄い雨だ。
視界もままならないまま車を走らせる。辺りに注意を払いながら、それでも出来るだけ速く走った。急いでいた。さすがにこの雨だ。きっと何処かで雨宿りしてることだろう。
川沿いの道をまっすぐ走り、通りに出る。「随分と行ってるな」。ついさっき出かけたような気がしたのに、案外速く走るものなんだな自転車は。妙に感心しながら走っていると、前方からコチラに向かって自転車を走らせる学生が二人。「見つけた!」
プップーッ。クラクションを鳴らして歩道に車を寄せた。が、彼らはこちらには目もくれず一目散に駆け抜けていく。凄い走りだ。
これでもか!というほど前に倒された身体は、向かう先がまるで地中であるかのように傾いており、まっすぐ一直線に投げられた視線は、降り掛かる雨の壁を突き破らんとする厳しさに満ちていた。ただ、あまりに真剣すぎて顔が半笑いだったのがやけに印象的ではあったのだが。
とにかく彼らは、僕が来た道を凄まじい勢いで帰っていった。
その後、彼らと同じように家に引き返した僕は、びしょ濡れになった彼らとガレージで再会した。
そして着替えを済ませ、学校へ向かう車の中、弟の友人がポツリつぶやいた一言。「なんか意味の無い無駄なコトをした気がする」
なるほど、まったくその通りである。