【静という空間】

空港でバスを待つ間。いくつかの違うバスが目の前に停まった。唸りをあげるディーゼルエンジンの音とともに。

それらが去った後

停留所から家まで歩く間。車の通らない裏の路地。架空の世界に迷い込んだかのように人影すら見かけなかった。

時折り、風鈴の音が聞こえた。

家主のまだ帰らぬ家の中。広い空間に私独り。大の字に寝ようとも場を持て余す。私は小さな存在。家具のように息を秘そめ家に同化する。

コツコツ・・

コツコツ‥

時を刻む音が空間を支配していた。


→メニューへ戻る