5/10「春の湯湾岳」

湯湾岳(ゆわんだけ)は、奄美一高い山。といっても標高694mなので本格的な登山装備を必要とする山ではない。登山道もなだらかなものなので、ゾウリでも登れちゃう山だ。ただ、もしかしたら会うかもしれないハブと、春は特に多いブトゥのことを考えるとゾウリは勧められないのだけど・・。

湯湾岳への主な登山ルートは2つ。宇検村側の展望公園から登るルートと大和村側のボードウォーク(木製階段)から登るルートだ。じっくり山登りを楽しむなら宇検村側から、約2時間ほどで山頂に到る。山頂付近を手軽に楽しむなら大和村側から、山頂までは約15分。

大和村側の登り口は宇検村側より高い位置にあり、宇検村から上ってくるルートにショートカットして合流する。今回はそのルートで出かけた。

山頂までは直行でスタスタ歩けば15分で着くが、植物を観察しながら登ると時間はあっという間に過ぎる。春は花が多いから、花探しで結構楽しいのだ。上の花はサクラツツジ。もう終盤だが湯湾岳にはまだ残っていた。ボードウォークを登りながら左手を見ているとわかるはず。足下に落ちた花びらを探すのもサクラツツジを見つけるコツだ。

4月終わりから咲いているのがヤクシマスミレ。ボードウォークが終わる辺りから、山頂にかけて足下にいっぱい咲いている。山頂に向かう細道は、ヤクシマスミレの小道と言ってもいいほど。ただし、とっても小さいのでよーくよーく目を凝らそう。一つ見つければ後は自然に見えてくるはず。

ナンゴクホウチャクソウも足下に咲く花。緑の中に白い花が揺れている。この花はいい香りがするので、顔を近づけてみるのもいい。

木立の根元によく並んでいるのがヒメトケンラン。黄色い花がとっても可憐だ。1本見つけたら辺りに仲間がいっぱいいるはずだよ。

1円玉ほどの小さな丸い葉はヒメカカラ。しゃがみこんでよくよーく見つめると、小さな丸い葉に隠れるようにヒメカカラにもちゃんと花が咲いている。葉と同系色で本当にわかりにくいから、よくよーく見つめるべし。

ホウロクイチゴの葉を小型にしたような丸形の葉を、びっしり登山道沿いに敷き詰めているのはアマミフユイチゴ。奄美って名がつくぐらいだから、そりゃあ限定された場所にだけ生息する植物ってことは想像がつくけれど、そんな珍しさを感じさせないほど、そこここにびっしりはびこっている。山頂付近の登山道でアマミフユイチゴを見つけられない人はきっといないだろう。それほど、びっしりあるのだ。

いつもは丸い葉が並んでいるだけのアマミフユイチゴだが、ここで紹介した多くの花が終わりを迎える頃に花を咲かせる。今はまだツボミだったが、日当たりのいい場所を先頭に、これから梅雨にかけて花開くことだろう。

イチゴの話が出たので、野いちごネタも少し。写真の赤い実はリュウキュウバライチゴ。これはもうピークを過ぎて、そろそろ終わりになる。これからの狙い目は下の黄色い野イチゴ、リュウキュウイチゴ。通称キイチゴ(ん?そう呼んでるの私だけ?)。バライチゴよりもジューシーで美味しい。奄美の野イチゴの中では食べやすくて美味しい方だ。

最後になりましたが、花いっぱいの春の湯湾岳に行く際にちょっとご注意。暑くても出来るだけ長袖長ズボンで肌の露出は避けましょう。なぜならブトゥがいるから。和名ブヨといえばわかると思いますが、湯湾岳の特に山頂付近の小広場にはブヨいっぱいです。小広場の手前の休憩スペースにも結構います。困ったことにお弁当を食べたくなる場所に多いので、気をつけてください。ただ、高い所にはあまりいないので、休憩は展望やぐらの上でするのが一番安全かもしれません。

ブトゥに刺されると大きく腫れます。めっちゃかゆいです。足など低い位置が狙われるので、厚めのズボンをはいて立って歩いている限りは大丈夫です。ですが、油断は禁物。あと、小さいお子さんは十分に気をつけてください。虫除け対策を万全に、念のために虫さされの薬も持っていきましょう。以上、ブトゥに気をつけつつ、春の湯湾岳をお楽しみくださいませ。


<<--インデックスへ
(C)ポケット奄探
i.amamicco.net