5/8「テントウムシまとめ」

 毎年、3月の終わりから4月にかけてよくレンズを向けるテントウムシ。今年は遠出せずに近所でばかり写真を撮っていたのか、例年よりテントウムシの写真が多い。サナギから羽化するところを初めて目撃できたこともあるし、せっかくだから幼虫からテントウムシまでの流れをまとめておこうと思う。


 近所を散歩しながらそこらの草むらを観察すると、季節によってそれなりの変化があり、虫たちの出現には「春」を感じるものである。中でもちょこまかとかわいいテントウムシは、色も目立つことからよく目にとまる。

 赤やオレンジをした色々なテントウムシ。マルカワいい彼女たちの姿を見つけたら、その草むらをジーッと見つめてみよう。すると他にも同じようにちょこまかと動く生き物を目にする。それがテントウムシの幼虫だ

 テントウムシの幼虫は怪獣みたいな姿をしている。お世辞にもカワイイとは言いにくく、初めて見たら「これが本当にテントウムシになるの?」とすぐすぐは信じられない。でも、テントウムシと同じように葉から葉へ動きまわりモグモグとアブラムシを食べている姿は、成虫も幼虫も同じだなと気付く。

 卵から観察したことはないので、幼虫がどれくらいでサナギになるのかはわからないが、アブラムシをたくさん食べて十分に成長したらいよいよ幼虫はサナギになる準備をする

 ある日、大きく育った幼虫は葉っぱの上にお尻を付けて動かなくなる。お尻から何かを出して葉っぱと自分をくっつけ、体を少し丸めてジーッとする。この状態はまだサナギではない。幼虫の姿からサナギの形になる準備をしているところだ。

 それから2日後。幼虫の皮がやぶれ、中からオレンジ色の物体が現れる。これがサナギの形である

 皮をやぶってハイ!と飛び出したオレンジの物体は、テントウムシの成虫と幼虫が混ざったような形をしている。現れてすぐのオレンジの物体は体を前後に大きく振り、前に倒れたり起き上がったりを何回も何回も繰り返す。

 そうして数時間後には動きを止め、前に倒れたまま静かにうずくまる。その頃には色もオレンジから黒主体の色へと変化し、完璧なサナギの姿になる

 幼虫がサナギになってから、ここからが結構長かった。毎朝サナギを確認しに走ったが、2日経っても3日経ってもサナギは微動だにせず。4日5日6日・・と時が過ぎ、他の用事があったり油断したりして何度か羽化を見逃してしまった。やっと羽化の瞬間に出会えたのは、今年に入ってから見つけた11個目のサナギでのことだった。

 たくさん見逃したおかげで複数のサナギで日にちを計ることができたが、だいたい1週間過ぎにテントウムシは羽化してきた。そうしてサナギの殻からスルリと抜け出てきたテントウムシは、近くの草に止まって体をゆっくりと外の世界になじませるのであった

 生まれたてのテントウムシは、頭以外、全身まっ黄色のシンプルカラー。外羽はまだ無地で、斑点やら模様やらは全く付いて無い。

 そのテントウムシが、生まれて最初にするのは羽の準備。草にぶら下がるようにつかまったら再び動かなくなり、しばらくすると内側から羽をゆっくりと伸ばし始めた。

 羽化から約1時間後。シワの入った羽がまっすぐしっかり伸びるのには結構時間がかかる。その頃には体にうっすらと斑点も浮かび始めていた

 すっかり伸びた羽をまた内側にしまい込み、その後もテントウムシは動きを止めたままジーッとしている。時々、頭を下にして体の向きを変えたりはするが、基本的な位置は夕方まで変わらなかった。

 羽化から体をなじませること6時間。夕方になる頃には黒い斑点はしっかりと見て取れるようになるのだが、完全な姿になるのはまだまだ先のようで、夜になる前にテントウムシは場所を移動し、誰にも見つからないように葉と葉の間へと潜り込むのであった。

 そして翌朝。太陽が昇る頃にはもう、テントウムシは葉っぱの隠れ家から出てチョコマカと活動を始めていた。「しばらく飲まず食わずだったから腹ぺこさ」と言ったかどうかはわからないけど(間違いなく言ってないけど)、いつも見かけるテントウムシのように、アブラムシを探して葉から葉へ草から草へと忙しく動き回っていた

 暖かい季節はついこの間はじまったばかり。明日のテントウムシはまだまだこれからどんどん誕生することだろう


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