7/28「海へおいでよ」

 そこかしこに夏があふれる奄美の今。天気予報は、毎日が海日和。「ねえ、海へおいでよ」と、夏の海が僕らを呼んでいる。

 気温に正直に、太陽熱に正直に、涼を求めて海へでかける。よく冷えたクーラーの効いた室内もいいが、ほどよく冷えたアダンの木陰はさらによい。本州と違い「島」な奄美は空気がこもらない。大海原を吹いてきた風は、小さな奄美にひっかかることなく吹き抜けてゆく。こちらの方が南ではあるが、厳しいのは陽射しだけ。日陰に入れば実に涼しい奄美の夏。

 島の海岸線を走ると、そこかしこに泳げそうな海が広がる。一応、海水浴場と名の付く海岸はあるが、それ以外は泳いでいけないということはない。港の近くなどの「遊泳禁止区域」をのぞけば、安全に気を付けさえすれば気に入った場所がすなわちビーチとなる。そしてビーチの豊富さに関して、この島は実に恵まれている。南西諸島を見渡しただけでも他の島との違いは一目瞭然。異様なほどに複雑な奄美大島の島の形。この地形の複雑さが多くのビーチを産み出している。有名どころから誰にも教えたくないスポットまで。奄美は穴場的海水浴場の大産地なのだ。

 水中メガネとスノーケルがあれば装備は十分。さあ、奄美の海へでかけよう。

 海についたらまず深呼吸。熱々の浜辺を駆けおりて、波うちぎわでホッとする。体を水に慣らしながら砂と波の間でしばし漂って、心と体の準備ができたら水中メガネとスノーケルを着用。もどる波にさらわれるように、ゆっくり海へと入っていく。

 島の海岸はそれぞれに持ち味があるが、だいたい浜辺よりちょっと沖へ泳いだところにサンゴが生えている。メガネ越しに海の世界を眺めながら自分のスピードで沖へと泳いでいくと、海中の風景が次々と変わって面白い。砂浜の風景。海藻の風景。魚達の風景。サンゴの風景。実に様々だ。

 ちなみに上の写真はテバスズメダイ。ヤドリ浜の浅瀬に生えたサンゴの森を群れをなして泳いでいた。奄美の海では比較的よく出会う魚だ。光によってはエメラルドにも見えるブルーの体がとても美しい。

 スノーケリング中には色々な出会いがあるが、イソギンチャクに住むクマノミも嬉しい出会いの一つ。潮の動きにゆらゆらと揺れるイソギンチャクに、クマノミの家族が暮らしている。スノーケリングしててよく出会うのは黒っぽい色をしたクマノミ、赤色に1本線のハマクマノミ、背中にラインが通ったセジロクマノミ、背中とエラにラインがあるハナビラクマノミの4種。映画「ファインディング・ニモ」で脚光を浴びたカクレクマノミは、ダイビングでは見られるらしいのだがスノーケリングに適した浅いポイントではまだ見たことがない。今後に期待。

 また他にもウツボや海ヘビ、カメやエイとの出会いもあるスノーケリング。そんなスノーケリングの最近のお薦めスポットはヤドリ浜。今、奄美の海で最も簡単に安全にサンゴ世界を味わえる海岸だ。もちろん、とても遠くまで泳ぐ元気やカヌーなどの道具があるのなら更に凄いところはまだまだあるのだが、マスクとスノーケルを持って5分も泳げばサンゴ世界というのはヤドリ浜の他に見当たらない。

 ヤドリの浜は泳ぎだしてすぐ石ころの世界になるが、それに騙されてはいけない。石ころの世界もすぐに終わり大きな段差を越えればサンゴの草原が現れる。干潮時には泳げないほどの浅瀬に密集する枝サンゴ。満潮でも十分に光が届く光景は、スノーケリングに最適だ。「海に向かって左側」を合言葉にぜひ泳いで欲しい。

 最後に、最近海で泳いでてオニヒトデを見ないことはありません。泳ぐ時には触ったり踏んだりしないように十分気を付けてください。僕もこの前危うく踏みそうになりました。基本的に海の生物には触らない方がいいです。それが一番安全。それからサンゴは踏むと折れるので、足をつける時は岩か砂地を選びましょう。せっかく育ったサンゴを大事にしながら、スノーケリングで海中の遊覧飛行を楽しんでください。


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