1/24「桜の頃」

 サクラの花が咲いた。御存知のかたも多いと思うが、島のサクラは緋寒桜(ひかんざくら)。春だよ〜って時に咲くのではなく、まだまだ寒くなるよ〜って時に花をつける。だから奄美では、サクラと春は結びつかない。サクラは冬の花なのだ。

 1年で最も初めに花を咲かせる桜が、緋寒桜だと言われる。緋寒桜は奄美や沖縄に多くあるが、その中でも奄美大島の長雲峠が最も開花が早いと聞く。すなわち長雲は、日本一桜の開花が早い所ということだ。その長雲峠にさっそく足を運んでみた。

 名瀬のすぐ北、龍郷町にある長雲峠は東シナ海に近い。冬は北風が東シナ海を伝って冷たい空気を運んでくる。だから長雲に吹く風はとても冷たい。緋寒桜の開花には「寒」の影響が大きく、よく冷える長雲はそれで開花が早いのかもしれない。今年は例年並みで1月中頃の開花となったが、去年はとても早かった。年が明ける頃にはもう咲いていたのだ。

 訪れたこの日、1月17日は、まだ咲き始めたばかりでまだ開花していない樹の方が多かった。開花している樹も花付きはまばら。満開にはあと2週間。ちょうど月末が見頃というところだろうか。咲き始めた濃い桃色の桜の中をヤマガラが忙しそうに飛びまわり、開花を喜んでいるようだった。

 1月の終わりから2月の初めにかけて満開を迎える島の桜、緋寒桜。長雲の他にも有名どころは多く、特に本茶峠の桜並木は素晴らしい。開花が早いのは長雲峠だが、古くから植栽されてきた本茶峠は立派な樹が多く、旧道に沿ってゆっくり車を走らせるとフロントガラスに桜のショーが映し出される。お薦めルートは龍郷町側。大勝(おおがち)集落から山頂へ向けてと登り、また大勝へと戻るのがベストだ。龍郷町は町の花が緋寒桜ということもあって、国道や県道沿いにも桜が多い。また他にも大和村のフォレストポリスや住用村の川内、宇検村の湯湾岳展望台など島内各地にみどころはいっぱい。ここ最近は寒空続きだが、厚着をしてでもぜひ冬の桜を楽しみたい。

 今が島の「桜の頃」なのだから。


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