4/6 「春の山をおおう白い花」
この花の名前はなんというのだろうか。今日感じた純粋な疑問であり、今日一番「知りたい」と思ったこと。
この花の名前はなんというのだろうか。4月になると奄美の山々は新緑に覆われる。その中でポツポツと白い息吹を見せるものがいる。その存在を昔から僕は知っている。だが、今日ほどその存在に惹き付けられたことはなかった。
名瀬市から国道を避け、南へ南へ。大和村をひた走り、そのまま林道と呼ばれる山中ハイウェイに流れ込む。車1台分の道。しかし対向車に出会うこともない。細い細い道を、鮮やかな緑に囲まれながら清々しく走る。目指すは「湯湾岳」。島一番の最高峰。大和村と宇検村の村境に位置し、地図上は宇検の名「湯湾岳」。大和村の人は「大和岳」とも呼ぶ湯湾岳。
湯湾岳を囲む林道は、素敵だ。特に、大和と宇検を結ぶ高い位置にある林道は、the long and winding road。細い道が山々を連ねるように続き、そびえる尾根の向こうには海が見える。「ここはどこだろう。奄美大島なのか」と、ふと思ってしまうほどの爽快さ。歴は4月、風は5月。5月の爽やかな風を受けながら山並を見渡すと、湯湾岳近辺に広がる白い花。鮮やかな緑にアクセントを付け、点在する白い花。
この花の名前はなんというのだろうか。海に囲まれた島に住み、山の緑を背に感じ、夏には海の青さに心惹かれ、春には山の青さに心揺らす。青い青い奄美の夏。青々と輝く奄美の春。しかし今日私は初めて知った。奄美に訪れる山の春を。あおいあおい緑の若々しさだけじゃない。山を彩る花の宴。
爽やかな5月の風吹く4月の湯湾岳。山に春が訪れる場所。