10/15 「台風の前」

 『暗雲たちこめる名瀬』

 どうやら台風がやってきそうです。

 知らせを聞いたのは、今日になってから。「台風が来てるね」という職場での声に少々驚いた。「明日がどうなるか・・」等と話してるのを聞いて、そんなに迫ってるのと再びびっくり。実際、証拠となる測候所のFAXを見るまで信じられなかったが、いやはや本当だった。来てます来てます。台風です。

 そういえば、まともに台風が来るのは久しぶりのことで、心配の声もちらほら聞こえる中、不謹慎ながら僕はワクワク。昔から、台風はけっこう好きなのだ。なんといっても台風の良さは、あの雰囲気。雨戸も閉め切って、時によっては電気も停まった真っ暗な中で、なにするともなく、実際暗くて何もできなくて、たまに好奇心で雨戸を少し開けると風がピューピュー吹いていて、外の明るさに驚いたりもして、昼間なのにどうしても明るさを忘れてしまったりして、わかっていて何度も同じ事を繰り返したりして。。。嵐の中で暗闇に包まれている。しかもその暗闇は安らかに僕を守ってくれる空間である。心奥深くの僕の記憶が、母胎を思い出しているのだろうか。なにはともあれ、台風は好き。

 今はまだ、風もおとなしく、いつものように代わり映えしない静かな夜なのだが、明日の朝になってみれば全てははっきりするのだろう。ま、きっと彼は来るとは思うのだが。とりあえず今夜は、非日常にたどりつけなかった場合に備えて、いつも通りに布団に入ろう。はやる気持ちをおさえて。


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